大学こそ、実践英語の授業ができる

GLOAG Douglas 先生

ある新入生が言いました、「え、英語、また必修科目?」

はい、その通りですが、いままで通りの授業ではないですよ。

基盤共通教育科目「コミュニケーションスキル1」の英語1は、「コミュニカティブ英語」と「総合英語」という2種類の授業で構成されていますが、今回は「コミュニカティブ英語」にフォーカスを当てます。

様々な先生方が様々な方法で指導されていますが、目的は同じ、「学生が自分の考えていることを自分の口から英語で話すこと」です。

  • 例えば、記事を読んで、意見を言い合う。
  • または、YouTubeのクリップを見て、内容についてディスカッションを行う。
  • さらに、トピックについて、2人か3人で会話をする。

先生方が自分の英語を披露するのではなく、学生に自分たちの英語を使う機会を与える。

僕の授業では、ボードゲームを教材として使っています。

右上の写真を見てください。学生一人一人が自分のボードゲームを持って、説明書を読んで、ネットでの説明ビデオを見て理解して、自分のゲームを教えられるようになる。毎週、新しい相手の学生に自分のボードゲームを教えて競争します。45分後、今度は相手の学生のボードゲームを学んで、また競争します。

全てを英語で行います。勝ち負けには(あんまり)こだわらず、90分で実践的な英語を学びます。自分のゲームのやり方を英語で説明するスキルを6週間でどのくらい伸ばせるか、相手の学生のゲームのやり方を英語で理解することができるかが目的となる授業です。毎週、フィードバックリポートを書いて、最後に4ページのまとめリポートも提出させています。

この4技能の活用を背景に、1年次の英語担当教員は、生徒が理解できる明確な目標のもと、指示されなくても学習者が自律性を発揮し、自然に英語が使えるような授業環境を整備することができるのです。この授業は必修科目ですが、私たち英語担当教員は、学生が大学に来る前の6年間以上にわたって学んできた英語を使える機会を与えられるよう日々努めています。

大学での英語とは

工学部建築・デザイン学科

齊 陽

皆さんは、大学での英語学習について、どのようなイメージを持っているでしょうか?

この文章では、少しでも皆さんの疑問の解決につながるように私が一年間講義を受けて考えたことや、皆さんに英語学習をするうえで意識することなどをお伝えします。

一年時の英語学習では、コミュニカティブ英語と総合英語が開講されます。本学の基盤共通英語は「大学での学修・研究、並びに社会生活において必要とされる英語の実践的な基礎力の養成を目的とし」ているように、論文を読む時に用いるようなアカデミックな内容から、ボードゲームを互いに教え合うレクリエーション的活動まで、担当の先生によって講義内容は多彩です。理解度をチェックするテストなどはありますが、大学入試を越える難しい文章をいきなり読むといったことはありません。とにかく会話すること、コミュニケーションの道具として使えるかどうかが優先されます。

英語をはじめ言語というのは本来、自分の考えを他者に伝えるための手段にすぎません。大学での講義を通して、語彙力や文法知識といったものはスポーツでいう筋力や基礎体力であり、必要なのはそれらをどう生かすかだと痛感しました。自分は何を言いたいのか? 相手が伝えようとしてくれている事は何なのか? 日々進歩している機械翻訳であっても、言葉に込められた意図までくみ取ることはできないのです。

大学の講義は、「何を学ぶか」さえも自由に選択することができます。皆さんが大学での英語を自身の向上につながる何かを見つける機会にできるよう願います。