専門性を活かす自分を育てるために

学士課程基盤教育機構長

三上　英司

入学生の皆さんは、自分が求める学びを磨くために山形大学を選んでくださいました。専門的な知識や技術は、生物の一種であるヒトを社会的な人間たらしめる重要な要素の一つです。しかし、修得した専門性は、自分を取り巻く社会環境と有機的につながらなければ、効果を発揮しません。つまり知識や技術を活かすことができる人間としての基盤を構築しなければ、学びは学習者の人生を豊かにしないのです。

この自明の理を踏まえ、山形大学では、学部を問わずに入学生全員が共通して修得するカリキュラム「学士課程基盤共通教育」が設定されています。ここでは、大学という環境で学ぶ時に必要となる知識・技術、そして基礎的な協働力・意思伝達能力・立案力・実践力を身につけます。そこで、このカリキュラムでは、学部・学科・コースを越えた人とのつながりの中で人間力を高められるように、学部融合型授業におけるグループワークやアクティブラーニング、また上級生によるティーチングアシスタント制度等が準備されています。社会に出てから「専門性を活かせない空疎な知識人」にならないために構築された自己実現力形成のためのシステム、それが基盤共通教育です。

それぞれの学部で修得するであろう専門的な学びを活かし、社会の中で豊かな人生を送るために、実践力を伴った知性の磨き方、つまり生きる力の基盤を、ここで構築してください。