成長は壁の向こうにある
エチェニケ ディアズ ラザロ 先生

高等教育は、知識を身につける場であるだけでなく、自分はどんな人間なのか、どのように成長できるのかを学ぶ場でもあります。心と感情の両方に働きかける経験は、学生にとって最も大きな成長の機会になることが多いと感じています。
その考えのもと、私は「クライミング・バイオメカニクス」という授業を、すべて英語で行うCLIL形式の授業として設計しました。この授業では、英語でコミュニケーションを取りながら、ボルダリングや屋外でのクライミング活動を行います。実際の体験を通して学ぶことで、より意味のある学びにつながります。
クライミングは体力が必要なスポーツだと思われがちですが、実際には心の働きがとても重要です。私たちは自然に言葉を覚えますが、登る動きは本能的に身についているものではありません。低い高さでも恐怖を感じる学生は少なくありません。その恐怖と向き合い、落ち着いて呼吸し、自分の体を信じて一歩ずつ進むことを学ぶことは、自己コントロールや粘り強さを育てる大切な経験になります。クライミングの課題は一つひとつが問題解決の場でもあり、学生は自分で考え、試し、うまくいかなければ工夫し直します。その結果はすぐに表れます。
この過程は、大学生活やその先で直面するさまざまな課題とよく似ています。クライミングを通して、学生は自分の癖や限界、強みを少しずつ理解していきます。成長は不安や難しさのすぐ先にあり、努力と振り返りによって前に進めることを実感します。
授業を英語で行うことには、さらに大きな意味があります。英語を教科として学ぶのではなく、実際のコミュニケーションや協力、自己表現の道具として使うことができます。留学プログラムへの参加を考えている学生にとっても、語学への自信と自立心を育てる良い機会になります。
この授業を通して、学生が英語力だけでなく、自分自身への理解を深め、自分は困難を乗り越えられるという感覚を持ってくれることを願っています。それはクライミングの壁の上でも、大学生活の中でも、そして将来の人生においても大切な力になると信じています。

