主体的な学びが人生を切り拓く
学士課程基盤教育院長
飯島 隆広

新入生の皆さん,ご入学おめでとうございます。高等学校での学習を終え,期待に胸を膨らませて山形大学にご入学いただいたことと思います。
皆さんが将来活躍する社会はどのようなものになっているでしょうか。社会はいつの時代も変化していますが,特に現在はAIによる大きな変革の渦中にあります。これまで人間が担ってきた多くの仕事がAIに代替されることは確実視されており,それは事務的な仕事のみならず,ヒューマノイドの発達により身体を伴う領域にまで及ぼうとしています。
しかし,すべての仕事がAIに置き換わるわけではありません。科学技術が発展すれば,それを踏まえた新たな課題や技術が生まれ,関連する仕組み・制度の整備,さらには技術を社会に役立てるための価値判断が必要となります。これらを構想し,生み出すのは他ならぬ人間です。課題を設定する力,責任を引き受ける覚悟,そして倫理に基づく判断力などは皆さんが磨くべき,人間ならではの能力です。
この激動の時代をより良く生きていくためにはどうすべきでしょうか。1963年の映画「山猫」の中に次のような台詞があります。「変わらず生きていくためには,自らが変わらなければならない」。立ち止まっていることは,激流の中では後退しているのと同じです。社会という仕組みの中で,単に使われる側の存在に甘んじるか,自らの意志で道を切り拓く存在であり続けるか。その分かれ道は,皆さんがどれだけ真摯に自己を変革し続けられるかにかかっています。
学びの歩みを止めないでください。学び方は技術の進化とともに変わりますが,学ぶこと自体の重要性は不変です。我々は皆さんが将来,地域で,日本で,そして世界で活躍することを期待しています。そのために基礎的・専門的な知識の習得はもちろん,物事を多角的に理解する力や異なる背景を持つ人々と協調する力など,総合的な人間力を高めてください。夢の実現へ向け,今日から始まる本学での学びが自らを絶えず更新し続けるための確かな礎となることを願っています。

