世界を創造する考え方(思考)と技術(スキル)

小酒井 貴晴 先生

基盤教育は、学生さんにとって、豊かな個性を磨き、可能性を広げるための土台となる講義群です。しかし、一方で、講義や教科書も教員によって整理されたものなので、これらすべてを無条件で受け入れることは、すでに貴方の個性を放棄しているのかもしれません。つまり、素晴らしい先生を模倣すれば一定レベルまで確保できますが、コピーは所詮x0.999…で、世代(x0.999 x0.999 x0.999…..)を重ねればいつか0(ゼロ)です。そうです!貴方の解釈や考えを加味して、1(教員)を超えてもらいたいのです。難しくはありません。大学生活において、「価値観を共有する仲間と過ごす安心感」と「自分だけの思考や感性という個性の誇り」の2面性を上手に整理して、表現や体現できれば良いのではないでしょうか。それこそが、今後の人生で、貴方の個性の価値を引き立て、新しい価値観やモノを創造する原動力になるのではないでしょうか。

そのためには、自分の考えをまとめるために必要な知識、それらを整理する思考法、さらに相手に(討論やレポートなどで)伝えるスキル、時には努力も必要でしょうか。私の基盤講義では、なぜこのような生命現象が起こるであるのか、そのメカニズムに触れるようにしています。実は、生命現象の本質部分の多くは、極めてシンプルかつ美しいメカニズムで構成されており、理系でも文系でも理解しやすいものです。また、現象の本質を自分の頭で充分に思考できたならば、試験やレポートでもっと上手に表現したいと知的欲求も刺激されると思います。さあ、一緒に、たくましく、世界を創造しに出かけましょう。

実生活に紐づく講義

人文社会科学部 人文社会科学科 グローバル・スタディーズコース 2年

細田 葉月

『食品毒と栄養生理』という講義の名前を聞いてどんなことを思い浮かべますか?「難しそう」「よくわからない」「栄養士さんになるための勉強?」などと様々な思考が飛び交うことでしょう。この『食品毒と栄養生理』という講義は、ただ知識を覚えるだけでなく実際に日常生活で活用できる講義の内容になっています。教授の小酒井貴晴先生は、授業の合間に生徒とコミュニケーションをとったり小ボケを挟んでくれたりするため分かりやすく、楽しく講義を受けることができます。文系の私でも内容をきちんと理解し、楽しく抗議に参加することができました。

ここで講義から得た知識により日常生活で活用できる一例をあげてみます。

皆さんは、今までに一度でも生卵を食べておなかを壊したり半生で調理した卵を食べておなかを下したりしたことはありませんか?これは、いくつか原因が考えられますが、ほとんどの場合サルモネラ菌によって引き起こされる食中毒になってしまったという可能性が高いです。これは日本で高い発症率になっている食中毒の一つで、ヒトや動物の腸管内や、水、土、昆虫などにも広く分布しています。しかし、これらは一つ手間をかけるだけで防ぐことができるのです。それは、サルモネラ菌は熱に弱いためしっかりと調理するときに加熱してあげるという方法です。これをすることによって、菌が死滅し安全に卵を食べることができます。

このように、サルモネラ菌の特徴を講義で学ぶと食品をどう扱えばいいかわかるようになります。一人暮らしになると、食品はすべて自分で管理しなければいけないためこのような雑菌を知らずのうちに増加させてしまうという危険性があります。それを防ぐためにも、この講義をぜひ受講して正しい食品の扱い方と菌について学んでみてください。