私たちと一緒に、新しい挑戦を

学士課程基盤教育機構長

千代 勝実

山形大学へのご入学、おめでとうございます。

「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションである」というアインシュタインの言葉があります。もちろん、みなさんがこれまで経験してきたことや、学んできたことはこれからの人生の基盤となるものでとても大切なことです。それに加えて、みなさんがこれから山形大学で過ごす時間を新しい誕生と成長の機会としてもらいたいと思います。これまでとは違う、新しい経験や学びに挑戦する助走期間だととらえてもらいたいということです。

新しいことに挑戦するときには、時に期待に満ちた気持ちになることもありますし、時に恐れや不快さを感じることもあります。はじめて自転車に乗ろうとする子供や、はじめて泳ぎを学ぼうとする人のことを思い浮かべてみて下さい。最初のうちはうまくいかなかったり、臆病になったりすることもあるでしょう。うまくいかないから止めたっていい、役に立たないから取り組まなくていい、と思うこともあるかもしれません。しかし振り返ってみればわかるはずです。新しいことへの挑戦は、それまで知らなかったこと、経験できなかったことへつながっていて、そして挑戦したことやできるようになったことが今の自分を作っているということ。

私たち山形大学の教職員は、ひとりひとり特別な個性を持ったみなさんへ、振り返ってみれば特別な時間だったと思える大学生活や経験を提供したいと考えています。苦しさや喜びを感じる時間があるかもしれません。それはみなさんの、誕生の苦しみであり、成長の喜びであることを信じています。学生のみなさんをとりまく、ご家族や友人、地域の人々、そして私たちと一緒に、新しいことに挑戦するということ、それが、これから山形大学で学ぶみなさんの「常識」となってほしいと希望します。