大学での学び方(学びの型)を身につける

橋爪 孝夫 先生

いわゆる「アクティブラーニング」をすでに中学校、高等学校で経験している人も多いかと思います。大学から本格的に始まるこのような知的探究の活動は「どこかに最終的な答があって、それを覚えれば良い」というものではありません。現在の新型コロナウィルスへの対応などがまさにそうですが、既存の知識として「これが正しい方法」というものが確立しているわけではなく、状況を観察してデータを取りながら常に「より良い回答」を目指して探究を続ける必要があります。

大学以降の学びでは「より良い回答を得るためにはどのような部分を改善したり解決したりすれば良いのだろうか?」という問いを立てて、調査に取り組み、答を得たらまた更に(今得たばかりの答よりも)「より良い解答」を求めて次なる問いを立てる、という繰り返し学び続ける活動が必要になります。

この時重要なのが、科学的な手法を守ることです。「巨人の肩の上に立つ」という言葉がありますように、先人の探究の成果をきちんと調べ、到達点を把握した上で「ここから更に先のより良い回答は?」と問い続け、学び続けるという手続きを踏んでいくことが必要です。

スタートアップセミナーではこの手続き=科学的学びの手法の一番最初の部分を学び、実際に基礎的なレポートが書けるところまで身につけてもらいます。

課題の難度は高くありませんが、以上のような目的が明確にあっての授業ですので、高校までの延長で取り組むと戸惑うことがあるかもしれません。全く新しいやり方を身につけるのだ、と意識を切り替え、知的探究の訓練だと思って取り組んでみてください。

学びの基礎を固めた後に、皆さんの個性が花開くことを期待しています。

基礎×学習=楽しい大学生活

工学部機械システム工学科 2年

中野 冴規

大学生として新しい生活に大きな期待を膨らませる方も多いことかと思います。しかし、大学生は今までの学校生活とは異なり、授業の選択は自分でしなければならず、その結果や責任などは全て、それらを選んだ自分自身に伸し掛かります。新入生の方々には、これらの責任感や不安感から来る重圧に耐えられるかどうか心配している方もいるかと思います。これから紹介する導入科目のスタートアップセミナーは、これから4年間の大学生活を過ごしていくのに必要な基本の土台を作る、非常に重要な授業です。

大学生として活動する上で重荷となるものの一つに、授業のプレゼンテーションやレポートがあります。この授業は、それらを進めるための基本を学べます。これは、新入生として幸先の良いスタートを切るための一歩を手助けしてくれるような内容です。また、この授業では、資料収集の仕方等レポートを作成する際に関わる重要なノウハウも学べます。履修できる授業の中には、内容や感想等を、千字を超えるレポートにまとめて毎週提出するよう課される授業もあります。新入生にとっては、数千字ものレポートなど想像もできないでしょうし、課題に時間を取られすぎて本来面白く楽しいはずの学生生活がつまらなく感じてしまう方も出てくるでしょう。しかし、この授業で学んだレポートの構成や書き方等の基本を活かせば、例え文章が苦手な人でも、レポートが非常に書き進めやすくなります。私もこの授業で学んだことを活かし、毎週千字以上の課題を無事に書き終え、前期の学習を乗り越えられました。

また、この授業は学部や文・理系を超えた交流が出来る授業でもあります。授業の方法は、文面で意見を交換し合ったり、リモートで会話をしながら考えを深めたりと様々です。現在はコロナにより対面で人と話す機会が非常に減りましたが、その状況下でリモート交流できることは、友達や人と会えないことへの不安感を和らげます。

最後になりますが、この授業で学んだ内容は大学生活の最後まで使えます。是非とも一生懸命学び、役立てていってください。