大学で学ぶことの意味

山形大学長

玉手 英利

山形大学への御入学おめでとうございます。みなさんのご入学を心から歓迎します。

これから始まる大学生活は社会人として自立するための重要な時期です。大学で学ぶことによって、みなさんの未来にはさまざまな道が開かれていきます。そのはじめの一歩として、「基盤共通教育」は大学での学び方を身に着ける大切な機会となります。

大学の授業は、これまでみなさんが学校で受けてきた授業とは大きく違っています。小学校、中学校、高等学校などでは、学ぶべき教科とその学習目標が具体的に決まっていて、全国どこの学校でも学習内容が大きく変わることはありません。ですから、みなさんが受けてきた授業では、教科ごとに教科書が決まっていて、そこに書かれたことを中心にして勉強を進めていたと思います。

それに対して、大学では、どのような授業を選択するのかは、みなさん自身が考えて決めることになります。また、学習目標や学習内容はそれぞれの大学や学部で異なり、教科書を使わない授業もあります。

なぜ、大学ではこのような学び方をするのでしょうか?

大学は新しいものを創り出すために存在します。大学は専門知識や技術を伝授するだけの学校ではなく、人間社会の停滞や閉塞を打ち破る革新を生み出す創造的組織です。そのために、大学では、学生一人ひとりの個性を大切にして新たな可能性を広げるために多様な学びの場を提供しています。いろいろな科目を学べる基盤共通教育をはじめ、課外活動や海外留学など、大学生活のさまざまな機会に多くの人と出会って、たくさんの新しい経験を積んでください。最初は、慣れないこと、不安なこと、悩むことがあるかもしれませんが、そのような時は遠慮なく私たち教職員に相談してください。私たちがみなさんを全力で支えます。山形大学で過ごす日々が楽しく充実したものになることを心から願っています。