PCで統計学をマスターしよう!

坂口 隆之 先生

この授業は、その名が示す通り「統計的な推測」の考え方をPC実習によって感覚的に理解してもらうことを目的としています。中学校で学ぶ「標本調査」の発展的な内容で、高校の数学Bの教科書でも扱われていますが、大学入学時点で実際に学んだことがあるという学生は少ないと思います。

今や統計スキルは文理問わず必須のものとなりました。多くの学生は、学生生活の中で様々な統計分析法を習得することが求められることでしょう。近年は、高度な統計分析法を容易に実行できる環境が整ってきたため、実際の分析を体験することはさほど難しいことではなくなりました。

一方で、統計学を正しく活用するためには、その理論を理解することも大切です。統計学の授業というと、良く分からない記号や数式が出てきて、「これがデータ分析と何の関係があるの?」という印象を抱く人もいるかもしれません。残念ながら(?)、統計学の理論は数学によって支えられています。

この授業は、従来から数学を使って説明されてきた理論の部分を、PCの力を借りて体験的に会得してもらいたいという主旨で設計しました。授業では、Excel上で容易に標本調査を実行できる教材を提供しています。受講生はこの教材を使って実際に標本調査をおこない、調査の仕方が結果にどのような影響を与えるのか、観察しながら学んでいきます。

今年度に初めて開講した授業のため、手探り状態ですすめてきました。さらに磨きをかけた授業を提供できるよう、今後も工夫を重ねていきたいと考えています。

学びたいことを学べる楽しさ

農学部食料生命環境学科

渡辺 里菜

私は今まで「統計」と聞くと難しそう、と避けたくなるようなイメージを持っていました。しかし、この「PCで学ぶ統計的な推測」の授業では、名前の通りPCを用いて、高校の数学Bの「統計的な推測」に相当する内容を噛み砕いて、分かりやすく学ぶことができました。

私がこの授業を履修しようと思った理由は、今後役立てられそうで、高校生のときから苦手としていたデータ分析関連の分野を大学1年生の機に少しでも克服したいと思ったから、ということと、シラバスを読んでこの授業ではPCを用いて手を動かしながら学ぶことができると知り、気軽に受講できそうだと感じたからです。

授業では私にも馴染みのあるExcelと、Rという統計解析専用のソフトウェアを使いました。正直、初めての機能やソフトウェアを使うことに一番ワクワクしながら受講していました。数字の書かれたカードを引く例や、コインを投げて表裏どちらが出るか試す例など想像しやすい例でさまざまな統計的な推測の方法が学べます。自分で実際に使ってみながら坂口先生が順番に丁寧に教えてくださいました。

このデータがどのような過程でこの結論が出るのか、ということを目で見て理解でき、楽しめたので有意義な学びができたと思います。また、パソコンを使うのが得意というわけではないけれども、パソコンを使うことが好きだったのでこの授業は私にぴったりだったなと感じます。

 大学では授業を自分で選ぶことができます。私はそれを自分が成長できるチャンスを自分でつかめる、ということだと考えています。様々な学問にこんなに触れやすいのは今だけです。ぜひ将来の自分を想像することを楽しんで授業を選んでみてください。