「データ解析力の礎を目指す」

奥野 貴士 先生

この授業は令和5年度から、理学部以外の学生が全員履修する必修科目としてスタートしました。だから、この科目の受講者数は、1500名近くになります。この科目の担当教員は、理学部の脇克志教授の一人です。受講者はLMS(学習管理システム)を活用して、受講者が好きな時に講義資料にアクセスして、講義を受講できるオンデマンド形式の講義です。

講義の特徴は高校での文系、理系問わず、データを解析するための基礎スキルの習得を目的とした講義です。授業は、教材を読み、各自のペースで演習問題を解き進めていきます。講義では、演習問題を説き進めるだけでなく、LMSの質問掲示板を利用し、受講者同士のコミュニケーションを促進する工夫がなされています。受講者が質問し、それに返信することでポイントを取得し、取得ポイントが成績に反映されるなど、受講生の自発的な学びの工夫がなされています。

では、この講義で何を学べるのか?目的は、「デジタルデータの種類・性質を理解して、現代社会を理解する上で必要不可欠なデジタルデータの扱い方を習得」です。「質的変数」「量的変数」「平均と標準偏差」「回帰分析」など、高校生の方には耳慣れない難しいそうな単語が並びますが、、、教材がとても綺麗で一つ一つの演習を順番にこなすことで、理解できるようになっています。令和5年度に誕生したばかりの講義で、まだまだ改良・開発が必要な授業ですが、山形大学でそれぞれの道を歩む学生さんのデータ解析力と礎になる講義としてよりよくしていきたいと思います。

データ解析基礎受講後の感想と新入生へのアドバイス

人文社会科学部人文社会科学科

佐藤 朱奈

データ解析と聞くと、数字をたくさん使うイメージがわき、苦手意識を持つ人も少なくはないと思います。実際私は文系なので、始まる前は難しいのではないかととても不安でした。しかし、データ解析基礎の授業は、想像しているよりもずっと私たちの生活に身近で理解しやすいものが多いため、心配する必要はありません。授業内容としては、身の回りに存在する物事をデータとしてまとめ、結果を分析して考察するなど基本的なものが多いです。私たちが将来調査などでデータを扱う際に、得られた結果からどのようなことがわかるのかを可視化できるようにするための、エクセルなどの活用方法を学ぶことができます。実際に自分たちで作業することはあまり多くはないですが、解説資料がとても分かりやすく、資料を見ながら自分で作業し復習することも可能なので、将来とても活用できる内容だと思います。実際私はこの授業で学んだことを、他の授業でも存分に生かすことができています。

この授業を履修するにあたってのアドバイスは、エクセルに事前に触れておくということです。この授業では主にエクセルを使った解説資料が用いられるので、エクセルに一度も触れたことがない人は少し戸惑ってしまう可能性があります。それを防ぐためにも、事前にエクセルに触れておき、おおまかに用途を知っておくと、理解度がより深まると思います。

データ解析基礎は、オンデマンド授業なので時間のある時に受講することができ、また受講後も活用できる内容になっているので、苦手意識を持たず積極的に受講していただきたいと思います。