教育で選ばれる大学になるために

学士課程基盤教育機構長

三上 英司

学士課程基盤教育機構長 三上 英司

山形大学の大きな特徴の一つに、「基盤共通教育」があります。私たち山形大学の教職員は、生涯にわたって学びを継続する基礎的な知識と技能、及び大学で高める専門性を人生と社会に活かす実践力を学生全員に獲得してもらいたいと強く願い、この教育システムを導入しました。

これは「大学での学びの基本を身につける」導入科目、「学問的志向性を育む」基幹科目、「学問の多様性を知り、知識の幅を広げる」教養科目、そして「学問の実践に役立つ知識や能力を修得する」共通科目から構成されています。ここで開講される多種多様な授業は、「理論的思考力」「コミュニケーション・スキル」「チームワーク」「市民としての社会的責任感」という五つの力の獲得を目的に実施されます。

従来の大学教育では、履修する分野や学習方法が偏ってしまうことが多々ありました。それでは、活きる学びとなりません。そこで山形大学では、4年間にわたる学士課程教育の中で、「学士」の称号を授与されるにふさわしい力を保証するために、学生に学ばせたい事柄をバランスよく配置した上で、主体的かつ対話的な授業方法を積極的に採用し、専門教育と共通教育の双方が統合された体系的カリキュラムを編成しました。学ぶ力の礎石を育成する基盤共通教育では、学問の実践に必要な基本的能力と健全な批判精神に裏打ちされた幅広い知識、学びを応用していく上で不可欠な豊かな人間力を身につけます。学生のみなさんは入学から一年間、学部の垣根を越え、大学での学習及び生涯にわたる学習への基盤となる力を養い、社会に参画し運営していく良識ある市民としての力を育むことになります。

山形大学の全学生が生涯学び続ける力を獲得するために、私たち学士課程基盤教育機構は、教職員一同、昨日よりも今日、今日よりも明日、不断の改善に努め、基盤共通教育の質を一歩また一歩と高めていく所存であることを申し上げ、機構長の挨拶といたします。