地域学修への招待
阿部 宇洋 先生

平成17年(2005)に、山形県最上地域の8市町村をそのまま山形大学のキャンパスとして活動を展開するエリアキャンパスもがみがスタートしました。エリアキャンパスもがみは、建物の無いバーチャルキャンパスとして現在もキャンパス機能を維持しています。
このエリアキャンパスもがみで開講される『フィールドラーニング-共生の森もがみ』は、基盤共通教育、基幹科目「山形から考える」という科目群に属し、主に1年次の選択必修科目集中講義として前期約75人の履修を受け入れています。
フィールドラーニングは聞き慣れない用語だと思いますが、山形大学オリジナルの教育用語です。地域で学び、地域と学ぶ講義の初歩として開講以降多くの学生が履修し地域で活躍しています。とくに、人口減少地域での学修、現地の現状把握が可能です。
1泊2日を2回の現地学修と共に、大学では入学生が必修の導入科目『スタートアップセミナー』の学びを応用した発表、レポートに関して学修します。例年、この大学での学修が、高校との学びの違いを実感する機会となり、登竜門となっているようですが、仲間と共に登り切っています。
講義の特徴は、「地域での学び」と「大学での学び」の基礎を様々な学部の学生と共に学ぶことの出来る講義になっているところにあります。この講義から自主的な活動を通じて学生サークルも誕生しています。また、近年では大学の助成金を学生みずからが獲得し、最上地域での地域活動につなげています。
最上地域の各8市町村そのものをキャンパスとして見立て、8市町村選りすぐりのプログラムが展開されていますので、自身がこれからの生活で、大学で、学びたいこと、地域で学びたいことが見つかるかも知れません。
もがみを知ることは、山形を知り、日本を知り、ひいては世界を知ることに繋がっていきます。山形大学に来て良かったと思える授業のひとつです。
大学の講義
理学部理学科
諸田 ほのか

『フィールドラーニング-共生の森もがみ」は基盤共通教育基幹科目「山形から考える」の講義です。
この講義では、山形県最上地域で提供される8個のプログラムから希望するものを選択して、班ごとに活動します。私は「里地里山の再生Ⅰ(舟形町)」というプログラムを履修しました。他の自治体のプログラムは教育に関するもの、地域文化に関するもの等があり、どんな人でも自分の興味を引く分野が見つけられることがこの講義の魅力の一つだと思います。
舟形町プログラムでは、農業を営む方のご指導いただき、実際に農業を体験し、舟形町の農業が抱える後継者不足という問題について考えました。
1泊2日のフィールドラーニングというものが面白そうという理由でこの講義を履修しました。この想像の通りフィールドラーニングでの活動は、すべてが最高に楽しい体験でした。現地での学び、舟形町でのフィールドラーニングは、現地で農業を営む方のご指導の下に農業を体験し、食事は班員や地域の方と一緒に作りました。私は山形県外で生まれ育ったので山形のことを何も知らなかったのですが、「ひっぱりうどん」というものを初めて食べ、山形の方言を話題に会話したのが印象に残っています。
この講義を通じて教科書でしか知らなかった過疎地域の問題とそこで生活する方々の思いや取り組みを知り、「自分たちにできることはなにか」を考え、活動報告会で提案を行いました。この発表、報告の準備は正直かなり大変でした。
高校生の頃は、人前で活動の成果を発表するような経験がありませんでした。活動報告会は、かなり苦戦しましたが自分たちの学んだこと、考えたことを出し切ることができた発表だったと思います。講義はレポートと報告で終了です。
この講義が終了した後、私たちは講義中に考えたこと、提案を実践したいと思い「学生チャレンジプロジェクト」という制度を利用して、山形大学の学食で舟形町の野菜を提供し、舟形町の野菜の魅力を知ってもらおうというプロジェクトを進めました。
新入生の皆さん、大学ではフィールドラーニングのような、高校の座学とは違った講義もたくさんあります。ただ楽しいだけでなくたくさんの新しいことを学び、考える機会になるのでぜひ積極的に履修してみてください。

