安田淳一郎准教授らの論文が,Physical Review Physics Education Research誌の注目論文としてEditors’ Suggestionに選ばれました。

山形大学学士課程基盤教育機構の安田淳一郎(やすだ・じゅんいちろう)准教授ら日本,オーストリアの研究者からなる研究グループは,世界的に普及している物理概念テストに対してコンピュータ適応型テストの方法を用いることで,学習効果測定の正確度と精度の低減を小さく抑えつつ,テストの出題数を大幅に削減できることを示しました。本研究の手法により,物理教育における学習評価を効率化することが出来,学習者がより多くの時間を学習に掛けることが可能になります。また,コンピュータ適応型テストは,本学の「基盤力テスト」でも用いられている手法であり,本研究で得られた知見を通じ,基盤力テストに基づく評価・研究がさらに発展することが期待されます。

本研究成果は,アメリカ物理学会(American Physical Society)の発行するフィジカル・レビュー・フィジックス・エデュケーション・リサーチ(Physical Review Physics Education Research)誌に2021年3月9日(米国東部時間)付で掲載されました。また,注目論文としてEditors’ Suggestionに選定されました。Editors’ Suggestionは,編集者が選抜するもので,特に興味深く,重要,かつ明快な成果と判断された少数の論文が選ばれます。(Physical Review Physics Education Research誌におけるEditors’ Suggestionの選定数(選定率)は,2021年3月9日現在,796本中55本(約7%)です。)

論文誌名:Physical Review Physics Education Research
論文タイトル:Optimizing the length of computerized adaptive testing for the Force Concept Inventory
著者:Jun-ichiro Yasuda(1), Naohiro Mae(2), Michael M. Hull(3), Masa-aki Taniguchi(4)
著者所属:

    1. Institute of Arts and Sciences, Yamagata University, Yamagata, Yamagata 990-8560, Japan
    2. Faculty of Engineering Science, Kansai University, Suita, Osaka 564-8680, Japan
    3. Austrian Educational Competence Centre, Division of Physics, University of Vienna, Vienna, 1090, Austria
    4. Center for Teacher Education, Meijo University, Nagoya, Aichi 468-8502, Japan
    5. DOI番号:https://doi.org/10.1103/PhysRevPhysEducRes.17.010115